サイバーパンクアクションの金字塔『攻殻機動隊』
久しぶりに観返してるんですがやっぱり面白い。
この機会に攻殻機動隊シリーズの全作品【漫画原作、アニメシリーズ、アニメ映画、実写映画】を簡単なレビュー付きでまとめてみたいと思います。
また作品世界での時系列や観る順番も紹介しているので参考にしてください。
攻殻機動隊とは?
核戦争後の未来の日本を舞台にしたサイバーパンクアクション。
電脳化、義体化(サイボーグ化)が普及した科学技術が高度に発達した世界でテロや暗殺などの犯罪を事前に察知して解決する警察組織「公安9課」通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた作品。
漫画原作ですが既にアニメシリーズやアニメ映画にもなっていて独自の世界観にファンも多くいる作品として有名です。
自分もこの世界観にドップリはまって漫画からテレビアニメ、今回の実写映画まですべて見ています。
それぞれ微妙に設定やキャラクターデザインが変わっていたりパラレルワールドになっている部分などもありますが登場人物や攻殻機動隊の設定は共通しています。
攻殻はストーリーや世界観も素晴らしいですが少佐をはじめ登場人物のキャラクターやセリフが魅力的なのが人気の理由ではないでしょうか。
名言集まで出ています。
主な登場人物
草薙素子(くさなぎ もとこ)
通称「少佐」
公安9課のリーダーで脳を除く全身をサイボーグ化している。
義体を操り戦闘能力が高い他、高度なハッキングスキルもあり相手の脳内に侵入することができる。
バトー
公安9課の課員。
元は陸上自衛隊に所属していた戦闘を得意とする男性型サイボーグで両目が義眼レンズになっている特徴的な見た目。
荒巻大輔(あらまき だいすけ)
公安9課の課長。
政治家や官僚に太いパイプを持っていて政治的手腕で公安9課の活動をサポートする。
サイボーグ化は行っていない。
トグサ
元は警視庁に所属していた刑事。
少佐に引き抜かれた形で公安9課に所属した。
サイボーグ化はしていないため他の課員に比べ戦闘能力は劣るが捜査能力など事件の内偵に長けている。
妻帯者。
タチコマ
人工知能が搭載されている公安9課の多脚戦車。
学習能力がありそれぞれ個性的な性格を持っている。
漫画原作「攻殻機動隊」
漫画版を読むとまず圧倒されるのが情報量の多さ。
枠外にページに収まり切らないほど士郎正宗さんの解説や注釈で埋まっていて、読み込んでいくうちに攻殻の世界がよりリアリティを増して迫ってきます。
いきなり主人公の少佐のレ〇シーンがあったり、それをバトーが覗いていたりと刺激的なシーンも多い印象。
TVアニメ版
TVアニメシリーズは今まで4作つくられています。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
- 攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
- 攻殻機動隊 ARISE
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
攻殻にハマるきっかけとなった作品。
SFアクションに重きを置いて作られているのでサイバーパンクな刑事ドラマみたいな感じで楽しく観れます。
攻殻でも有名な「笑い男事件」がメインのシリーズです。
攻殻知らなくてもこのロゴは見たことあるという人は多いのではないでしょうか。
今でもこのステッカーをノーパソやスマホに貼ってる人よく見かけます。
笑い男事件の他にも傑作が多く、軍の技術者が死ぬ間際に自分の脳を兵器に移植し両親に会いに行く第2話の「暴走の証明」が「平成14年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞」に選ばれたりと見どころが多くオススメです。
スピンオフ 攻殻機動隊S.A.C タチコマなヒビ
上記の攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXのDVDに収録されていたタチコマたちが主役のショートアニメをオリジナルストーリーで漫画化したもの。
全8巻でけっこうなボリュームがあります。
全編マニアックな雑学ネタになっていて気楽に楽しんで読めます。
特に兵器や軍事についてが多いのでミリタリーネタが好きな人はハマりそう。
攻殻機動隊 S.A.C 2nd GIG
TVアニメシリーズ第2期。
こちらも1期同様アクションが見ごたえのある作品が多いです。
メインとなるのは「個別の11人」と呼ばれるテロリストとの戦い。
少佐の過去とも関わりがある「クゼ・ヒデオ」というキャラも登場し攻殻の世界観により奥行きが増したシリーズとも言えます。
また難民問題も扱っているので改めて観ると現代の問題ともリンクしていて興味深いです。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
TVアニメシリーズ第3期。
2ndGIGから2年後、少佐が失踪してからの公安9課を描いています。
未来の日本と同じ超高齢化社会モチーフにウィザード級ハッカーである「傀儡廻(くぐつまわし)」との戦いを描いています。
時系列的には本作までのTVシリーズ1~3期に繋がりがあるので最初に見るならこの3作からスタートするのが攻殻の設定や世界に入りやすいと思います。
攻殻機動隊 ARISE
本来ARISEは全4話がアニメ映画版として制作されましたが、ARISE ALTENATIVE ARCHITECTUREとして新エピソード2話を加えてTV放送されたのでこちらに記載します。
公安9課が結成される前のメンバーの話が中心の攻殻のエピソード0にあたるシリーズ。
また少佐の所属していた501機関が絡んで来たり見どころもたくさんありますが、キャラクターデザインや声優さんも一新されているのでファンの間でも評価が大きく分かれている作品でもあります。
★ARISE新エピソード2話収録作品
アニメ映画版
劇場で公開された3作品を紹介します。
- GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
- イノセンス
- 攻殻機動隊 新劇場版
GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊(1995年)
押井守監督作品。
映像化された初の攻殻作品でもあります。
原作漫画の1巻をベースに公安9課と凄腕ハッカー「人形使い」との戦いを描いていて攻殻の世界感が決定づけられた記念すべき作品だと思います。
特に戦闘シーンは銃器マニアの押井監督のこだわりが出ていて何度でも観たくなるカッコよさ。
日本以上に海外での評価が高くアメリカ、ビルボード誌の週間ビデオ売上1位を記録したり、全世界で130万本以上売れたヒット作です。
イノセンス(2004年)
今作も押井守監督作品。
少佐が失踪してから3年、少女型のアンドロイドが暴走し所有者を殺害する事件を公安9課が追いかけていくストーリー。
こちらはエンタメよりも映像美や観念的な部分にクローズアップしすぎて好みが分かれる作品だと思います。
主役である少佐が本来の姿で現れることもなく、アクションも少なめなぶん期待外れと思ってしまう人も多いようです。
攻殻機動隊 新劇場版(2015年)
黄瀬和哉監督作品。
ARISEの延長線上にあるストーリーで、冒頭のクーデターや総理大臣暗殺に少佐の過去や義体(サイボーグ化した体)の障害などにも関わってくる物語。
まとまっていて面白いですが、過去のARISEを観ていないと世界観やキャラクターの立ち位置が分かりづらいかもしれません。
実写映画版
2017年にハリウッドで実写映画も制作されています。
GHOST IN THE SHELL(ゴースト・イン・ザ・シェル)
少佐役にスカーレット・ヨハンソン、日本人キャストでは荒巻役でビートたけし、少佐の母親役で桃井かおりが出演しています。
完全オリジナルストーリーではなく過去作品のオマージュが散りばめられているので過去作品を観てからのほうがより楽しめると思います。
正直、アクションはあまり期待しないほうが良いですがスカーレット・ヨハンソンが意外にも少佐役にハマっているので楽しめました。
映像も綺麗で攻殻の世界観はよく出来ていたと思います。
またハリウッド版のゴースト・イン・ザ・シェルを観るなら字幕より吹替版がおすすめです。
アニメシリーズと同じ声優さんが務めているので世界観をより楽しめると思います。
最後に
攻殻シリーズは世界観もカッコよくて奥が深い大人も楽しめるアニメだと思います。
アニメだけでなく漫画や実写映画にもなっているので開拓してみることをオススメします。