人気ブログ「分裂勘違い君劇場」で有名なふろむだ氏が本を出版したと話題になっていたので早速買って読んでみました。
全体の感想と特に印象に残ったところをまとめたいと思います。
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「人生は運よりも実力よりも勘違いさせる力で決まっている」を読んだ感想は?
他人が自分に対して持っている自分に都合のいい思考の錯覚を「錯覚資産」と定義しこれを上手く運用して成功する確率を上げる方法や、ハロー効果・後知恵バイアス・感情ヒューリスティックなど無意識に人間の脳がしてしまう間違った判断や記憶の書き換えについて詳しく解説してくれています。
ようは他人の錯覚資産や自分の思考の錯覚に気をつけながら自分の錯覚資産を運用し人生をハックしていこうという内容。
今までそういうこともあるかもと実感しつつ気にもとめていなかった事を「錯覚資産」という上手い言葉で解説してくれたのは新鮮で面白かったです。
ただ錯覚資産や脳の勘違いについては良く分かったのですが実際にどうすれば上手く使いこなせるかについての具体例があっさりしすぎていた印象。
ふろむだ氏がどうやって錯覚資産を形成していったかについて少しだけ語っていましたがもっとこういう実体験に基づいた話が聞きたかったです。
この点、橘玲氏監訳の似たテイストの自己啓発書「残酷すぎる成功法則」ではエビデンスとともにどうすれば良いのかが書かれていたのでわかりやすかった。
また本書は数人の名前のないキャラクターたちとの会話形式で進んでいくんですがこれがかなり読みづらい…
さらに365ページのボリュームのため必要なのかもしれませんが何度も同じ言葉や言い回しでまわりくどく語るので読むのが結構疲れました。
いつもシンプルで必要最低限の言葉で核心をついていた大元のブログ「分裂勘違い君劇場」のファンだったので同じクオリティを期待していたぶん少々残念…というのが率直な感想です。
どんな人が読むとプラスになる?
・良くも悪くも自己評価と他者評価のギャップが大きい人
・仕事はできるのに出世できない人
・自分より実力ない人が出世していく理由を知りたい
・努力すればするほど人生辛くなる人
上記の理由で人生が辛くなっている人が錯覚資産を運用することや思考の錯覚に注意を払うようになると人生が好転していくと思います。
良くも悪くも人間(脳)の挙動を逆手に取ったライフハックだと思います。
印象に残ったポイント
ハロー効果は最強の錯覚を生む
人間はイケメン、美人、高学歴、肩書など1点でも優れている点があるとそのほかの性格などもすべて優れていると評価する。
しかも評価する人も顔がいいからとか高学歴だから評価したと自覚なく判断している。
選挙で外見の良い政治家が毎回当選する理由。
成功が成功の母
よく言われる失敗は成功の母というのは間違い。
1度成功すると周りは運や偶然ではなく実力だと錯覚するからお金や人材が集まってきてさらに成功しやすくなる。
数字はハロー効果を生じさせやすい
1ヶ月〇〇億円の売上、フォロワー〇〇万人、月間〇〇〇万PVのブログ、クラウドファンディングで〇〇〇〇万円獲得など。
自分だけの実力の成果でなくても有能に見られ印象にも残る錯覚資産になる。
成功するかどうかは運ゲー
成功するには運より実力が必要と思うのは錯覚。
成功した人たちも最初の成功は運が良かっただけ。
最初の成功のハロー効果で2回目の成功は更に楽になる。
才能や実力が足りないと悩む暇があったら1回でも多くサイコロを振って成功確率を上げたほうが良い。
社畜が会社をやめないのは脳が記憶を書き換えてるから
つまらない作業なのに報酬も安いというストレスから脳が自己を守るため作業が楽しかったと無意識に記憶を書き換える。
労働環境がブラックになるほど余計楽しさややりがいを感じてしまう。
脳は過剰に一貫性を求める
脳は矛盾を嫌い、ある人を尊敬してるけど性格は最悪で見下してるとはならない。
好きなものは常に正しく、メリットが大きく、楽しい。
嫌いなものは常に間違っていてメリットも少なく、不快。
脳はこの一貫性をキープし続ける。
好きな有名人、アーティストの作品は駄作でもすべて素晴らしく見えるし楽しく感じる。
宗教やアイドルビジネス信者ビジネスの仕組み。
作家や芸能人じゃなくても人に好かれる事を意識すれば大きな錯覚資産が手に入る。
などなどライフハックの役に立つようなこともたくさん解説されているので本書でチェックしてみてください。